No.009:本末転倒

2019年10月22日

 私は、高校時代に自分で自由に使えるお金を得るため、遊ぶ金を得るために、コンビニエンスストアでのアルバイトをしていた。
 最初の時給は450円、安い時給でこき使われたのを今もなお覚えている。
 数ヶ月、一年と働き続けていたら、店長は私の事を使える奴だと見込んだらしく、売上計算や商品の発注業務も任されるようになった。
 平日は学校、土日は朝から夕方までコンビニエンスストアでのアルバイトの日々が続いた。
 自分で自由に使えるお金を得る事ができたが、そのお金を使う時間、遊ぶ時間はほとんど無かった。
 自宅の近所には、別のコンビニエンスストアがあった。
 そのコンビニエンスストアでは、近所に住んでいる高校生や大学生に声をかけ、アルバイトとして働いてもらっていた。
 私も近所に住んでいる他の高校生と同様に声をかけられ、一時期は二つのコンビニエンスストアのアルバイトを掛け持ちしていた。
 お金は貯まったが、繰り返しになるが遊ぶ時間はほとんど無かった。当時の私は、「本末転倒」という言葉は知っていたが、意味を知らず、周りの大人の言葉に踊らされ、うまく利用されていた。

 高校を卒業し、就職してサラリーマンになった後も、仕事で忙しい日々が続いた。
 会社に入社して二十年、忙殺寸前まで仕事をした結果、体調を崩してまともに働けなくなった。
 寝る時間も少なく、「本末転倒」という言葉を忘れさせるほどの忙しさだった。
 「本末転倒」という言葉の意味を、体全体で理解した時には既に手遅れの状態だった。
 私は会社を退職し、一年間の休養を取り再就職をした。
 以前の会社を退職する直前になって、私は小説を書きたいと思った。
 そして、「小説家になろう」の存在を知り、現在に至っている。

 今は、自分の書きたい小説を書き、自分の読みたい小説や書籍を読む時間を大切に過ごしている。
 私は、身を持って理解した「本末転倒」を繰り返さないように、ゆっくりとマイペースで生きていこうと思う。

 今回はこのへんで。
 それではまた。