No.003:コーヒーブレイク

2019年10月22日

 私はコーヒー好きである。だいたい一日に四杯は飲んでいると思う。
 しかし、私は「違いのわからない男」だ。
 我が家の平日の朝食はほとんどパン食だ。
 大抵の場合、目玉焼きの乗ったパンを食べつつブラックコーヒーを一杯飲む。
 コーヒーはレギュラーコーヒーをコーヒーメーカーで抽出する。
 コーヒー好きなのだがコーヒーの種類にあまりこだわりはない。
 コーヒーならインスタントコーヒーでも構わない。
 飲んでいるレギュラーコーヒーは某スーパーで298円で売っているものだし、コーヒーメーカーも同じスーパーで970円で購入したものを使っている。
 そんな低コストでインスタントコーヒーでは味わえないちょっとした本格さを味わっている。
 970円のコーヒーメーカーは、私にとってはこれまで購入した品物の中で一番コストパフォーマンスに長けている商品だと思う。

 コーヒーメーカーを使って淹れたコーヒーは、ステンレスボトルに入れて会社に持って行く。
 会社に出社して自分の席に着くと、ステンレスボトルに入ったコーヒーをステンレスボトルのキャップに注ぎ、ちびちびと飲みながら始業時間までの束の間の時間を過ごす。
 仕事中もタイミングを見計らってステンレスボトルに入ったコーヒーをちびちび飲む。
ステンレスボトルに入ったコーヒーは大体午前中で飲みきってしまう。
 そうなると午後は会社に買い置きしてあるインスタントコーヒーの出番だ。
 インスタントコーヒーの入った瓶から目分量でマグカップにコーヒーの粉を入れて、ウォーターサーバーのお湯でコーヒーの粉を溶かす。
 冒頭で自分の事を「違いのわからない男」と称したが、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーでは豆自体が違うので「違いのわからない男」でも味の違いはわかる。
 「今日もコーヒー飲み過ぎかな?」と思いつつもついつい飲んでしまう毎日を送っている。

 しかし、以前勤めていた会社で忙しかった頃の缶コーヒーの摂取量は半端ではなかった。
 緊張感を保つために朝から晩まで缶コーヒーを飲み続けていた。
 三度の食事を抜いても、缶コーヒー、タバコ、チョコレートで空腹を満たし緊張感を保つ日々を送っていた。
 あの頃に比べたら今飲んでいるブラックコーヒーは心が休まる一服の清涼剤だ。

 昨年、旧友と久しぶりの再会を果たし一緒に酒を飲んだ。
 旧友は将来カフェを開きたいという夢を持っている。
 私はその夢に賛同し、夢の実現に協力する事を約束した。
 十年後か二十年後、旧友の経営するカフェの片隅で旧友の淹れたコーヒーを飲みながら小説の原稿を執筆する私の姿を想像している。
 多分その頃も私は「違いのわからない男」のままなのだろう。

 今回はこのへんで。
 それではまた。